雪入マンション管理士・防災士事務所 / 雪入損害保険事務所   TEL  090-1693-9125 ( 年中無休・24時間受付 )

1,種類
区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費と修繕積立金を管理組合に納入しなければなりません(マンション標準管理規約第25条)。そして敷地及び共用部分等に係る「使用料」については、管理に要する費用は「管理費」に、それ以外は「修繕積立金」として積み立てる事とされています(マンション標準管理規約第29条)。「使用料」には以下のものがあります。 
 
①駐車場使用料
 
②駐輪場使用料
 
③バイク置場使用料
 
④専用庭使用料
 
⑤トランクルーム使用料
 
⑥専用バルコニー使用料
 
⑦共用施設使用料
 
ちなみになお「雑排水管清掃費」は使用料ではありません。日常の管理に起因する出費である事から管理費会計から支出すべきものです。管理組合の中には修繕積立金から支出しているケースが稀にありますのでご注意ください。
  
 
2、性格
「使用料」は、管理費と修繕積立金に振り分けて計上される特殊な費用です。そして実務上は管理費は「管理費会計」(一般会計)として、修繕積立金は「修繕積立金会計」(特別会計)として、それぞれ別々の会計書類を作成するのが一般的です。『管理費会計』は普通預金のようなもので、例えば毎月お給料が口座に振り込まれて、そこから光熱費や生活費等を支払ったり、引き出すといったようなイメージです。一方『修繕積立金会計』は定期預金のようなものであり、「貯蓄」と考えても良いと思います。 以下具体的に説明します。
 
Ⅰ 管理費会計
「収入」は、全組合員から「管理費」という名目で集めたお金です。これに対して「支出」は、マンションの維持管理のために毎年計上される額の事を指します。例えば管理員人件費、公租公課、共用設備の保守維持費・運転費、火災保険の保険料等の『敷地および共用部分の通常の管理に要する費用』の事をいいます。 
 
Ⅱ 修繕積立金会計
「収入」は、管理費同様、全組合員から「修繕積立金」という名目で集めたお金です。一方「支出」は、特別の管理に要する経費に限定されます。即ち、大規模修繕工事費や、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕等の『敷地および共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる費用』の事をいいます。 
 
「使用料」は、毎年配られる定期総会の議案書の中の決算報告書に記載されます。お手元に決算報告書がありましたら、使用料」が管理費会計と修繕積立金会計とに分かれて計上されているかどうか見て下さい。もし「使用料」が、全て管理費の収入として計上されているのであれば、管理費会計と修繕積立金会計に振り分けるよう見直しをする事が大切です。そうする事で将来行われる大規模修繕工事等の工事費に充当する事ができます。  
   
 
3、管理委託費
管理費会計は前述したように普通預金みたいな存在です。全組合員から集めた費用をマンションの「通常」の維持管理のために使う、そのお金の流れを整理したものが「管理費会計」です。そうすると管理組合が委託した管理会社に支払う「管理委託費」は、まさにマンションの「通常」の維持管理のために使うお金であり、当然の事ながら管理費会計に計上される事になります。 
この管理委託費が適正かどうかは一概には言えませんが、管理委託費が適正であるにも拘わらず管理費会計が赤字の場合には、管理会社は管理組合に対して、管理費を値上げする根拠の説明を丁寧にしていく事が大切です。ところが管理費会計が赤字である事を原因として、管理会社は管理組合から管理委託費の値下げの要求を受ける場合があります。
要求を受けた管理会社は管理組合と交渉をする事になりますが、この場合管理会社の選択としては①値下げの要求には応じない、②値下げの要求に応じる、③管理業務を減らして値下げの要求に応じる、といった事等が考えられます。しかし場合によっては交渉が決裂し、管理委託契約の解約といった事態もありえます。
そこで管理会社の中には、管理費会計をできるだけ黒字にするために、「使用料」を全額管理費会計の収入に計上しておくケースがあります。もしお住まいのマンションにおいて、委託している管理会社が、各種「使用料」を管理費会計のみに計上している場合には、なぜ修繕積立金会計にも計上しないのか、管理会社に説明を求めた上で改善を要求する事が大切です。 
 
 
4、結論
「使用料」は修繕積立金に振り分ければ振り分けるほど、当然ながら管理費の収入は少なくなります。 従って「使用料」の適正な処理は、管理費の削減になるどころか管理費の増額にすらなります。しかしながら「使用料」が適正な処理をしているどうかマンション住民が都度確認をする事は、管理費等の会計に関心を持つ事で、管理費を削減するためにはどうしたらよいのかを考える良い機会になるものと考えます。参考にして頂ければ幸いです。