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 ヴィクトリアン・トレード・カードとは

 ヴィクトリア朝時代は別名「コレクションの時代」とも呼ばれています。現在コレクションの対象となっているアイテムの多くがこの時代にスタートしたためです。
 現在でも数多く作られ、世界中にコレクターのいるトレード・カードもヴィビクトリア朝時代に始まり、当時から多くの人々がこの小さな広告入りのカードを収集していました。

 この時代にトレード・カードが作られ普及した背景には、クリスマスにカードを送ることが習慣化したことがあげられます。また、産業の発達により、企業は製品の販売促進のため広告や会社のロゴを入れたカードを作り、頒布したことによるものです。

 初期のトレード・カードは白黒で印刷されていましたが、多色刷りの石版画技術の発達によりカラフルなトレード・カードの印刷が可能になると、コレクションは盛んになり、19世紀末にはあらゆる種類のカードが作られました。収集したカードはスクラップブックに貼ったり、コレクターの間でしばしば取引されるようになりました。

 当ネットショップでは、様々な種類のヴィクトリアン・トレード・カードの中から、裁縫関係のカードを特に選んでご紹介しています。
 裁縫関係では、衣料品店、洗濯機、アイロン、縫い糸、ミシンなどのトレード・カードが作られましたが、現在ではミシンと縫い糸のカードを多く目にしますので、当時もこれらのカードが多く作られていたものと思われます。特に、縫い糸のカードはスレッド・カードThread Card とも呼ばれ、大変カラフルでユニークなデザインが多いことから人気があります。スレッド・カード には多くの場合その会社のスプールが描かれています。スプールが太鼓になったり、車輪になったり、サーカスの玉乗りの玉になったりと、そのユーモアのセンスには思わず笑ってしまいます。カードの裏側には必ずそのメーカーの広告文句が印刷されています。 

 なお、ヴィクトリアン・トレード・カードは、海外では現在も盛んに取引されていますが、その値段はカードのコンディションやめずらしさによって大きく変わってきます。

 トレード・カードの裁縫関係メーカー

J & P Coats

 J & P Coatsは、James and Peter Coatsにより1830年にイギリスで設立された製糸会社で、当時から多くの製品をアメリカに輸出していました。1952年にはthe Clark Thread Co. と合併し、Coats & Clark Inc. となりました。Coats & Clarksは現在アメリカ最大の手芸メーカーで、日本でもCoats Sewing Thread をお使いの方は多いと思います。
 トレード・カード裏面の広告で”Best Six Cord Thread"のコピーがしばしば登場します。ミシンが発明される以前の手縫い用の糸は、3本の糸を撚って作られていましたが、1846年に本格的なミシンの開発に伴ってより強い糸が必要となり、6本の糸を撚った縫い糸が開発されました。さらに、家庭用のミシンが普及すると、この縫い糸を売り込むため、トレード・カードに上記のようなコピーを印刷したものと思われます。同様の広告コピーは他のメーカーのトレード・カードにも見られます。

White Sewing Machine

White Sewing Machineは、Thomas H. Whiteにより1858年にアメリカ・マサチューセッツ州で設立されたミシン・メーカーで、現在でもミシンを製造しています。Whiteは若干22歳で会社を興した立身出世の人物のようです。

New Home Sewing Machine

 New Home Sewing Machineは、William Barker and Andrew J. Clark により1867年に アメリカ・マサチューセッツ州で設立された New England Single Thread Hand Sewing Machineが、1882年に社名を変更したミシン・メーカーです。同社は1960年に日本のジャノメミシンに買収されました。