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シルバー・シンブルについて |
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シルバー・シンブルは英国(イングランド)やアメリカで19世紀後半から20世紀前半にかけて数多く生産されていました。イングランドのシルバー・シンブル・メーカー(銀細工師)では、James Swann & Son, Charles Horner, James Fenton, Henry Griffith & Sonsなどが有名です。シンブルの生産は、Charles Hornerが1947年、James Fentonが1922年、Henry Griffithが1955年にそれぞれ生産を中止しています。James Swannは、ほとんどのメーカーが20世紀中頃までにシルバーシンブルの生産を中止する中、最後のヴィクトリア時代のシンブルメーカーとして2005年まで生産を続けていました。アメリカのシルバーシンブル・メーカーでは、 Simon Brothers Co., Ketcham & McDougall, WebsterCo.などが有名で、ともに19世紀後半からシルバーシンブルを生産しています。現在でも営業を続けているのはSimon Brothers Coのみですが、シンブルはだいぶ前から生産されていないようです。 |
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ホール・マークについて |
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イギリスの銀製品にはホールマーク(Hallmark)と呼ばれる品質保証の検定印を付ける制度が確立されており、そのホールマークにより品質、メーカー、製造年などがわかるようになっています。シルバーシンブルにもその側面に下記のようなホールマークが付いています。アメリカ製シンブルのホールマークは、通常、シンブルのトップ裏側にメーカーのマーク、側面にサイズと品質を現すStaring Silverが刻印されていますが、検査所や年代を表すホールマークはありません。ドイツ製では通常、生産国Germany、Staring及びサイズのホールマークのみで、メーカーのマークは刻印されていませんが、トップに星のマークが刻印されているものは、Gbler Brothersのシンブルと考えられます。 |
イギリスのシルバー・シンブルのホールマーク |
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@Size |
イギリスのシルバーシンブルのサイズは番号が大きくなるほどサイズが小さくなります。アメリカやドイツでは番号が大きくなるほどサイズも大きくなります。 |
AMaker’s Marks |
銀細工メーカーの名称を表します。J.FはJames Fentonです。 |
BCity Marks |
製品を検査した検査所を表します。錨のマークはBirminghamを表します。 |
CStandard Marks |
製品の品質を表します。ライオンのマークはSterling(925)を表します。 |
DDate Letters |
製品が検査を受けた年をアルファベットとその文字の形状で表します。このマークは検査所によって異なりますので、City Marksとの組合せによりシンブルの年代が特定できます。小文字bのこのマークは、Birminghamでは1901年を表します。 |
Charles Horner - Dorcas Thimbleについて |
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イギリス・チェスターの著名なシルバー・メーカーであるCharles Horner(CH)(1837−96)は、数多くのシルバー・シンブルを製造していましたが、材質が柔らかいため針穴が開きやすく、変形しやすいシルバ・ーシンブルの欠点を克服するため、スティール製の芯をシルバーで挟み込んだ画期的なシンブルを考案し、1884年に特許を取得しました。このシンブルは、当時盛んだった貧しい人々のために服を縫う教会の奉仕活動グループ "Dorcas Sewing Circle" (Dorcasは聖書に出てくるお針子の名前)よりDorcas Thimble と名付けられ評判を呼び、改良を加えながら1948年まで多数製造されました。Dorcas ThimbleはCharles Hornerの代名詞となり、世界中にコレクターがいます。 |
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Henry Griffith & Sons - The Spa & James Walker Thimbleについて | |
Charles Hornerとともにヴィクトリア時代のイギリス・バーミンガムの著名なシンブルメーカーであるHenry Griffith & Sons(HG&S)は、1930年代にイギリスの有名なリゾート地の名前を付けたシンブルを多数作りました。これらのシルバーシンブルは’The Spa’ thimble と呼ばれ、コレクターに人気があります。また、20世紀始めに、ロンドンの宝石商James Walker が店名の入ったシルバー・シンブルを作り客に贈りました。これが、広告シンブルのスタートとも考えられますが、このシンブルを作ったのが、Henry Griffith & Sonsです。なお、Henry Griffith & Sonsは1858年にバーミンガムの検査所に登録し、1955年までシンブルを製作しています。 |
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James Swann & Son - James Swann & Swann Thimbleについて | |
James Swann & Son(JS/JS&S)は、ほとんどのメーカーが20世紀中頃までにシルバー・シンブルの生産を中止する中、最後のヴィクトリア時代のシンブル・メーカーとして2005年まで生産を続けていました。彼のシンブルで特に人気が高いのが、シルバー・エナメル・シンブルで、1960年代以降に作られています。エナメルは、金属の表面にガラス質を焼き付けたものですが、通常のシルバー・エナメル・シンブルは、シンブルのバンド部分にエナメルが使われている場合が多いのに対して、James Swannのシルバー・エナメル・シンブルは、トップを除く全面にエナメルが施されており、花や鳥から古い広告まで様々なデザインのシンブルが作られています。また、JSの銀細工師だったFrank Jonesは、独立してSwann Thimbles S(T) という名前のシンブル・メーカーを設立し、現在もシンブルを製作しています。 |