ミシンの普及に伴ってさまざまな子供用の小型ミシンが作られるようになりました。
世界最大のミシン・メーカーであるSinger社ではModel 20 のナンバーで子供用ミシンを製造しており、初期(1910年代〜20年代)にはボディーが黒で丸いタイプのものが知られています。
1950年代にはよりモダンな四角いボディー・デザインの子供用ミシンが製造されました。ナンバーは同じくModel 20ですが、初期のものと区別するためかModel
20-10と呼ばれることもあります。このモデルは、黒のボディー・カラーの他、ベージュが作られましたが、赤や青のモデルもわずかに作られたようです(赤や青のモデルは現在ほとんど見かけません。Model
20は主にアメリカと英国で生産されましたが、赤や青のModel 20-10は他の国、例えば青はイタリアなどで限定的に生産されたようです)。
Model 20-10に付属した取扱説明書は、文章と写真による説明と主にイラストによる説明の2タイプがあります。"How to use
your SINGER SEWHANDY "は次のような文章で始まりますが、トップ・メーカーであるSinger社の子供用ミシンに対する自信がうかがえます。
「このシンガー・ミシンはみなさんのために、丈夫で信頼できるようにデザインされています。糸通しの部分は、糸の張りと縫い目の長さの調整が簡単で、押え金は針が指に触れるのを保護するように作られています。これはオモチャではなく本格的なミシンです。
このミシンを使うことにより、ミシンの基本的な原理が学べるとともに、最初のお人形の服を作ることや、ちょっとしたプレゼントの品物を作ることができるかもしれません。もしかするとあなたの遊び着、シャツ、エプロン、スカートや妹の服まで作れるかもしれません。
あなたは、このミシンを家族と過ごす休暇や、週末のお友達への訪問、さらにカレッジまで持って行きたくなるでしょう。ちょっとした服の直しや裁縫のために、いつも、いつまでも。」
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